「君がそう言う限り、僕が安心することはない」


「え……?」


「だって僕は……」



 若葉くんは何かを言おうとする。

 けれど口をつぐみ、逡巡する。



「……僕は、君が思うような人間じゃない。隠していることだってたくさんある。それなのに、君の気にかけてもらえるような資格は、ない」



 私を真っ直ぐに見つめるのは、強い輝きを秘めた瞳。

 なのに、奥に底知れない何かがあった。



「……そ、そんなことないよ。資格があるとかないとか、そんなの関係ないじゃない。だって私たち、友達でしょ? 友達の心配をするのは当たり前でしょ?」



 若葉くんは口角を上げた。

 ほら、わかってくれた。

 彼はきっと笑顔でうなずいてくれる――