「おかしいよね。若葉くんに何もしてあげられてないのに。でも……」 もどかしくて情けなくて、乱暴に涙を拭う。 「何もできなかった自分が許せなくて、悔しいの……!」 「――っ!」 風が吹いた。 ふわり、と包み込まれる感触。 何が起きたのかわからなくて。 「……君は、どうしてそんなに優しすぎるんだろうね……」 困ったような声が聞こえた。 それも、耳のすぐ傍で。 顔を上げたくて、上げられなかった。 なぜなら、若葉くんに抱き締められていたから。