「何してたの?」


「んー、空を見てた」



 そこには、いつもとまったく変わらない笑顔。


 今は若葉くんが普段通りに接してくれるから笑える。

 彼のあんな姿さえ目にしていなければ、無条件で笑い合える。



「ねぇ若葉くん、一緒にお昼にしない?」


「いいけど、急にどうしたの?」


「話したいことがあるの」



 ――もしものときは真っ先に話すから。



 私が言ったことを思い出したのだろう。



「……少し待って。準備するから」



 果たして、ちゃんと話せるのか。

 不安を抱えながら、席を立つ若葉くんを見つめていた。