言葉は突き放すようだったけれど、とても真剣な眼差しで見つめてくる彼の真意に、気づいた。


 次の瞬間、ほとんど反射的に足を踏み出していた。


 ……考えてみればいつもそうだった。

 ピンチのときに助けてくれるのは若葉くん。

 彼が私を守るために奔走してくれていたことなど、知りもしなかった。

 今回だって、知らず知らずのうちに守られるところだった。


 ――教室へ。


 そこへ行かなければならない気がして、歩調を速める。


 私には、すべきことがある。