若葉くんは、危険から私を守るために行動してくれていた?


 信じられない。

 けど……長谷川先輩のことを前もって警戒してたし、そうだと考えればつじつまは合う。



「今夜は満月。馬鹿どもの茶番も山場だな」



 城ヶ崎の言葉が、背筋に戦慄を走らせる。



『今日だけでいい。一緒にいて。できるだけ僕の傍を離れないで』



 やっとわかった。私は、若葉くんに守られていたんだ……。



「ったく……頼んでもねぇのにあのクソ野郎に啖呵切りやがって。

 お前ら揃ってお人好しなんだよ。他人がどうなろうが関係ねぇはずだろ」


「城ヶ崎……?」


「それが揃って何だ、そのシケた面は。片方だけでもウゼェのにふざけてんのか。

 いいか、いつまでもそのウゼェ顔でいられると非常に気分が悪い。さっさと何とかしねぇと知らねぇぞ」