「はい。紅林先輩ととても仲睦まじいなぁって思ってましたから」


「「…………」」



 なんかサラリと言われたけど。



「桃ちゃーんっ!?」


「あ、はいっ?」



 ハッ、しまった!

 つい心の中の呼び名そのままを口にしてしまった!

 やむをえない。

 不良の威厳は損なわれるが、これが私の呼び方だとしておこう!

 ……で!



「また突拍子もないこと言ったな! どの辺が!」


「……話してる姿とか、でしょうか」


「詳しく!」


「話しているときはとにかく仲がよさそうで、まるで……」


「まるで?」


「お父さんとお母さんみたいです」


「……く、詳しく!」



 勇気を振り絞って続きを促す私に、桃ちゃんはとんでもないことを言ってのけた。