「きゃぁああああ――――っ!!」



 バサバサバサッ!!

 近くの小枝で羽休めをしていたハトさんたちも、ビックリの悲鳴を上げてしまった。



「見たっ、今の!」


「え?」



 すぐに返答はなかったけど、大きく見開かれた瞳が「見てしまった」ことを如実に物語っていた。



(ウソでしょ!?)



 失礼を承知で青年をガン見する。


 どちらかといえば細身。

 黒い前髪が少し目にかかるけど清潔感のある髪型。

 それにシンプルな黒フレームの眼鏡と来て、どこにでもいそうなごく普通の生徒だ。

 いいな、私もそんな風に言われてみたい……じゃなくて!