若葉くんってなんて親切なんだろう。

 こんなにいい人を遠巻きにするなんて、もったいないことをしていますよ、クラスのみなさん!

 なんて思っていると、微笑ましげな視線を感じた。



「私の顔にゴミでもついてる?」


「ううん。ちょっとね」


「…………」



 待って。デジャヴだよ、これ。



「ちょっとって、なに?」


「それは秘密」



 やっぱり!

 にっこり顔でごまかそうとする若葉くんをじーっと見つめる。



「若葉くん、気になるよ。ものすごぉ~く気になるんだけど?」


「…………」


「…………」


「あははっ」


「そこ笑うとこ!?」


「紅林さんは、笑った顔が素敵だなあと思って」


「す……っ」



 ステキ!?

 この人はまたとんでもないことを!



「まぶしすぎるくらい笑顔が魅力的な人に言われても、説得力がないんですけど!」