着替えが終わると、凛の腰に腕を回してゆっくりと立ち上がらせる。
凛は予想よりも結構重たくて、私は自分が倒れないようにしっかりと両足に力を入れた。
少しフラフラしているようだったけれど、凛は段々と安定してきたようで、自分で立てるようになった。
私は投げ捨てられたように置かれた凛の鞄を手に取ると、また凛を支えた。
「・・・大丈夫?」
私がそう声を掛けると凛はゆっくりと頷いたので、私は凛の腰に腕を回したまま、部屋の扉を開けて凛を外に連れ出した。
扉の前には樹を含む連中が居たけれど、私は樹だけをしっかりと見据えた。
樹は声に出さずに「やくそく」と唇を動かした。
私はそれに頷くと、凛を支えたままこの汚らわしい家の玄関を出た。
漸く外の新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込む。
何だか酷く気分が悪かったけれど、そうも言ってられない。
「凛?家にこのまま帰って平気?」
私が凛にそう尋ねると、凛の両目から途端にぽろぽろと涙が零れ落ちる。
「・・・さ、すがに・・・親に言えない・・・よ・・・」
「でも、怪我酷いし病院行かないと。」
私がそう言うと、凛は首を横に振った。
「自業自得なの、分かってる・・・けど・・アイツ本当に頭おかしいから、病院なんて行ったら、何されるか分かんない・・・」
確かに病院に行けば警察沙汰になるだろう。
凛の尋常じゃない怯え方に、何だかとても可哀想になってきた。

