「は?条件なんて言える立場だと思ってるのか?」
樹は急に態度を変えて、高圧的な言い草でそう言った。
「別に大した条件じゃないわ。」
「なんだ?」
仕方なしに聞いてやるって態度が物凄く不愉快だったけれど、この際仕方ないので我慢した。
「貴方と付き合うのはなし、セックスは自由にして構わないわ。所謂セフレならいい。それと、凛に金輪際関わらない事。それにこの事は凛に言わないで、私に説得されたとでも言っておいて。」
私がそう言うと、樹は更におかしそうに笑った。
「お前、本当に面白れぇ女。」
そう言って顔を近付けて来たので、指先で樹の唇を押さえた。
突然邪魔をされて腹が立ったのか、樹は私の両手を掴んで押さえ付けた。
「約束はちゃんと守って貰わないと。」
私は冷めた目で樹を睨む。
「あぁ、約束は守ってやるよ。」
「じゃあ、それまでは私に触れないで。」
私はそう言ってそっぽを向いた。
樹はそんな私が更にお気に召した様子で、ご機嫌に私から手を離した。
私が車を降りると、樹も一緒に車を降りた。
そして私に近付くと、肩を組んで耳元でこう言った。
「今夜9時に、ここに来い。」
そう言って、私に名刺を渡してきた。
確認すると、それは家の近くにあるクラブだった。
そしてご丁寧に裏には携帯番号も書かれている。

