私が座ったのを確認すると、柴崎さんは私の瞳をじっと見つめた。
私はその視線の意味を、瞬時に察知した。
「事情は大体察しているよ。」
柴崎さんはそう言って小さく笑った。
「だけど君がどうして此所にやって来たかは検討はつかないが。この場所はね、もう僕達が買い取ったんだ。だから、君が此所にやって来た理由を教えて欲しい。」
「あの、私仕事がしたいのです。」
私は誤魔化しても仕方無いので、正直にそう告げた。
途端に柴崎さんが、大声で笑った。
「素直な子だとは聞いていたけど、ハハハッ……幾つだったかな?君は?仕事を探してると言う事は、君は捨てられたのか?」
「……14歳です。」
私は捨てられたと認めたくなかった。
絶対にまた会うと心に決めていたからだ。
「14歳が出来る仕事ねぇ……」
柴崎さんはそう言って、鋭い目を更に細めた。
初めて見るその表情に、なんだか歌舞伎役者みたいな顔をしていると思った。
「何でも良いんです。」
私は細められた瞳をしっかりと見つめてそう言った。
「まぁ、君みたいな美人さんなら、選ばなければ何でも出来るだろう。だけど、そんな仕事は紹介する事は出来ないね。」
「どうしてですか?仕事は選びません!」
私はすがる思いで柴崎さんに言った。

