叶う。 Chapter2





私が座ったのを確認すると、柴崎さんは私の瞳をじっと見つめた。


私はその視線の意味を、瞬時に察知した。


「事情は大体察しているよ。」


柴崎さんはそう言って小さく笑った。


「だけど君がどうして此所にやって来たかは検討はつかないが。この場所はね、もう僕達が買い取ったんだ。だから、君が此所にやって来た理由を教えて欲しい。」


「あの、私仕事がしたいのです。」


私は誤魔化しても仕方無いので、正直にそう告げた。
途端に柴崎さんが、大声で笑った。


「素直な子だとは聞いていたけど、ハハハッ……幾つだったかな?君は?仕事を探してると言う事は、君は捨てられたのか?」


「……14歳です。」


私は捨てられたと認めたくなかった。
絶対にまた会うと心に決めていたからだ。


「14歳が出来る仕事ねぇ……」


柴崎さんはそう言って、鋭い目を更に細めた。
初めて見るその表情に、なんだか歌舞伎役者みたいな顔をしていると思った。



「何でも良いんです。」


私は細められた瞳をしっかりと見つめてそう言った。



「まぁ、君みたいな美人さんなら、選ばなければ何でも出来るだろう。だけど、そんな仕事は紹介する事は出来ないね。」


「どうしてですか?仕事は選びません!」


私はすがる思いで柴崎さんに言った。