叶う。 Chapter2





シオンはきっと気づいていたんだ。

詮索好きな私が、皆の痕跡を探すだろう事に。





そして私が、自ら命を捨てようとする事にもちゃんと気がついていたんだ。


だから、こんな言葉を残したんだろう。


幸せを願うなんて言われたら、私はもう死ぬことを選ぶ事が出来なくなるって、きっとシオンは分かってたんだと思った。

シオンはやっぱり何もかも見越して、この言葉を私が必ず気付く方法で残したんだろう。


私は紙を小さく折り畳むと、聖書と共に自分の部屋に持ち帰った。


途中でママの部屋にも行こうと思ったけれど、ママの部屋は何故か鍵がかかってた。



自分の部屋で私は手に入れた痕跡を、絶対に無くさないように旅行用の鞄に日記と共にしまった。


これだけの荷物を運び出す為には、やっぱり引っ越し業者を頼む必要があると思う。

なるべく荷物を少なくしても、引っ越し先で色々と揃えるお金の余裕はない。


必要な家具と、着替え、それに持てる物はなるべく持って行かないと。


後一番大事なのは、住む家だ。


こんな小娘が一人で不動産屋に行って、怪しまれないだろうか?


誰か着いてきてくれる大人が必要だと直ぐに思ったけれど、考えてみたら私には家族以外にそんな事を頼める大人なんて居なかった。


その瞬間、私はやっぱり一人なのだと改めて感じた。