叶う。 Chapter2





私はもう涙すら出なくなった。

人間極限まで追い詰められると、こんな風に感じるのかと、何故か冷静に頭の中で考え始めた。


私は自分の部屋を出て、またリビングに向かった。

リビングの窓は、30センチくらいしか開かない作りになっていたけれど、今の私なら通り抜けられるかもしれない。


私は何故かそう考えて、リビングの窓に手をかけた。

だけれど今の私の細さでも、そこを通り抜ける事は出来なかった。


後は窓を叩き割るか、と考えたけれど、もしも下に人がいたらと考えると、私の都合で下手したら命に関わる怪我を負わせてしまう事になる。


他人に迷惑を掛けてはいけないと言ったママの言葉を思い出した。


だけれどもう怒ってくれるママの姿は何処にもない。


私は怖くなって、今度はレオンの部屋に向かった。


扉を開けると、中には相変わらず脱ぎ散らかされた服が散乱していた。

何故かそれがすごく私の心を安心させてくれた。

さっきまで、直ぐそこにレオンが居たような気がしたからだ。


散らかった部屋のベッドに腰掛けて、部屋を見渡すと自然とレオンの残した痕跡を探したけれど、どこにも見当たらなかった。


机の上にも、引き出しにも、何処にも何もない。

それはまるで、レオンがこうなることを予期して片付けたんじゃないかってくらい、気になる物は何もなかった。

その予感はきっと外れてないだろう。


私は寂しくなって、そのままレオンの部屋を出た。