そして慣れ親しんだ部屋の扉を開けると、そこは朝起きてから何一つ変わって居なかった。
私は鞄をソファに置くと、日記を書いてとにかく気持ちを整理しようと思った。
机に向かうと、机の上に朝にはなかった便箋のような物が置かれている事に気がついた。
私は慌ててその紙を広げた。
そこには綺麗な文字だけれど走り書きで、こう書かれていた。
アンナへ
この手紙をあなたが目にする時、きっともうママとシオンとレオンはあなたの傍に居る事が出来なくなっているでしょう。
ごめんねアンナ。
いきなりの事で、ママも混乱していたの。
本当はもっと早く、あなたに説明しておかなくちゃいけなかったのに。
ママはあなたが家に来てくれて、ママの娘になってくれて本当に幸せでした。
きっとシオンもレオンも、同じように思っていたはずよ。
ママは幸せ過ぎたの。あなた達が居てくれて、本当に毎日が幸せだった。
きっとそんな幸せを壊したくなかったの。
だから、あなたに本当の事を話す事がどうしても出来なかった。
シオンとレオンの父親の事を。
もうきっと、あの人と一生会う事はないと思ってた。
あの頃はママもまだ子供だったの。
だから、あの人を信じてシオンとレオンを産んだ。
だけどあの人は私から子供達を取り上げた。
悪いのは全部ママなの。
ママがあの人を信じてしまったから、シオンもレオンも沢山傷ついたわ。
便箋は所々涙で滲んで歪んでいた。
私は涙を堪えて、2枚目の便箋を読み始めた。

