叶う。 Chapter2





「君にはちょっと難しい話だったかね?」


私は笑われた事にほんの少し腹が立ったけれど、無言でじっとその冷たい蒼い目を見据えた。


「まぁいい、話を続けよう。私も昔は若かったからね、愛人が何人か居たんだが、それでも皆産まれてくる子供は女ばかりでね。跡取りに困っていたんだよ。でも喜ばしい事にそこに居るリサが男の子を2人も産んでくれた。」


そう言ってママの方を見てニヤリと笑ったその顔を、殴ってやりたい衝動に駆られたけれど、私は何とか平静を装った。


「でもね、名家にと呼ばれる我が家には既に妻がいてね。私はリサと結婚する事が出来なかったんだ。」


する気も無かったくせに、と私は心で思ったけれど相変わらず黙ったまま話を聞いていた。


「だけどね、悲しい事につい先日にその妻と娘2人を不慮の事故で亡くしてね。そして私は独身に戻ったわけだ。」


ジェームスという双子の父親はそう言って笑ったけれど、その瞳は笑ってはいなかった。

きっと、自分の妻と娘を殺したんだろうと私は直感的にそう感じた。


「だから嬉しい事にね、リサとジャスティンとジャックを正式に我が家へと迎えられる事になったんだよ。言っている意味は分かるね?」


「ダメよ、私は行かない!!」


ママは突然起き上がると、双子の父親にそう叫んだ。


そう言って私をしっかりと抱き締める。
まるで離さないとでも言うように、きつくきつくママは私を抱き締めた。

双子の父親はそんな私達を見て、蔑むように瞳を細めた。