しばらくお互いに言い合っていたけれど、結局折れたのは私だった。

諦めた私に和也は何だかすごく満足気だった。


何だか負けた気分だったけれど、私はおとなしく送ってもらう事にした。


夕日が見える帰り道、あと何度こうして2人で道を歩く事が出来るのだろうかと考えたけれど、途端に寂しくなって私は考えるのを辞めた。


駅のホームで電車を待つ間、いつもなら繋がれて温かいはずの掌がとても冷たかった。

だけれど少しでも甘えたら、決心が鈍るのを私はもう分かってしまったから、その冷たさに慣れないといけないと思った。


別れる、別れないの話をしたわけじゃない。

だけれどそれは和也にとっても私にとってもけじめなんだと思う。


私の気持ちはもう決まっているけれど、多分和也から見たらまだ私に迷いがあるように見えているんだと思う。

だから本当に迷いが消えるまで待つ覚悟でいてくれているんだと思った。


多分私が本当に決めたら、和也は身を退くようなそんな気がした。


やっぱり私はダメな人間なんだとつくづく感じるけれど、そんなダメな私を見守ってくれる和也に、本当に感謝でいっぱいな気分だった。