「じゃあ、俺もかなうに悪い事したよ。かなうの気持ちに気付いてたのに、身を退かなかった。」
和也はそう言って、私の頬を撫でた。
「かなうが俺を好きじゃないのに、俺の都合でこんなに泣かせた。」
「……それ、でも無理……だよ。」
私は何度も否定したけれど、和也は決して折れなかった。
これはもう、きっと何を言っても聞き入れてくれないだろうと思いかけたその時、和也は静かにこう言った。
「かなうが、本当に俺の事が嫌いだって、可能性が無いって自分自身納得するまで、俺は退かない。」
そう言った和也の言葉が、私の心に深く突き刺さる。
それと同時に、私は思った。
そこまで覚悟を決めて私と向き合う事を決断してくれた和也を、私は傷付けなくてはいけないのだ。
多分、こうなってしまったからには中途半端にしてはいけない。
私がかなうでいる事を、辞める覚悟を持って和也に接していかなくちゃいけない。
堕ちてしまおうと、私はそう思った。
どん底まで堕ちてしまえば良い。
和也に嫌われる為に、和也が嫌がることを演じなければいけない。
私は小さく深呼吸をすると、シオンの様に感情を出さないように意識して和也を見た。
「……じゃあ、抱いて。」
私は何の感情も出さずに、和也に冷たくそう言った。
和也はその言葉に、眉間に皺を寄せた。

