「もう……辞めて……。」
私は涙が渇れ果てたんじゃないかってくらい泣き続けていたけれど、和也の体温のおかげか次第に気持ちが落ち着き始めた。
私がそう言うと和也はやっと私を解放したけれど、漆黒のその瞳は何かを決断したかの様に真っ直ぐに私を見つめていた。
私はその瞳を見たことがあった。
それは自分の未来を決断をした、シオンのあの瞳と同じだった。
「俺、さ……待ってても良い?」
私は首を振った。
もう出来ない約束は2度としてはいけないと思った。
「かなう、迷ってるでしょ?」
和也はやっぱり抜け目なく人を観察している。
「かなうとお兄さんに何があったのかは聞かない。けど、俺はそれでもかなうが好き。だから、かなうが会いたい時とか、話したい時だけでも良いんだ。だから、傍に居て欲しい。」
「そんな事出来ない……よ。私は、そんな……利用するような事……で、出来ない。」
「俺がそれを望んでも?俺はかなうに利用されても構わない。」
「で……で、きない。」
「どうして?……かなうも一緒でしょ?お兄さんに利用されようとしてるじゃん。」
「か、和也は何も、悪い事……してないじゃない。」
「お兄さんからしてみたら、かなうも悪い事してないんじゃないの?」
「私は、した……の。だから、和也と私は違う……」

