泣き崩れる私に、和也は静かにこう言った。
「言えない事情があるんだね?」
私は泣きながら俯いた。
「ねぇ、かなう。俺さ……やっぱりかなうが好きなんだ。かなうが俺を好きじゃなくても、俺はかなうが好き。」
和也の言葉に首を振る事しか出来ない。
「どんなに否定しても、俺は自分の気持ちに嘘は吐けない。かなうの気持ちが俺に無いって分かってても、かなうに触れたいと思うんだ。」
和也はそう言って私を抱き寄せた。
私は身を捩ってその腕を脱け出したかった。
だけれど、しっかりと抱き寄せられた身体は思うように動かせなかった。
和也の身体は想像以上に筋肉質だと、私は初めて気がついた。
必死に抵抗してみたけれど、和也はしっかりと私を抱き締めたまま離してはくれなかった。
だけれどそれ以上、何かをする気はない様子に私は余計に悲しい気持ちになった。
押し倒されて犯された方が、よっぽどマシだと思った。
こんな風にされると、和也が私を想う気持ちが嫌と言うほどに伝わってきてしまう。
だけれど私がどんなに抵抗しても、和也は私を離してはくれなかった。
それは私の涙が止まるまで続いた。
和也は私をぎゅっと胸に抱いたまま、時折私の背中をあやすように撫でていた。

