私がしてしまった事は、どんな罪よりも重い。
「あのさ、かなう?」
「・・・うん?」
「お兄さんは、かなうを必要としているの?」
「うん、今は多分そうだと思う。」
「今はって、どういう意味?」
「私は兄を傷つけてしまったの。」
「え?」
「私は兄の大切な人を奪ってしまったから。」
「どういう・・・こと?」
「・・・ごめん、これ以上は言えない。」
私はそう言って俯いた。
喋りすぎたと思ったけれど、勘の良い和也にでたらめを伝えた所できっと直ぐに見抜かれてしまうだろうと思った。
「それってお兄さんがかなうが傍にいるように望んだの?」
「もう、辞めて・・・。」
私は和也の尋問に耐えられなくなって両耳を手で塞いだ。
もう何も聞かれたくないし、答えたくない。
和也はそんな私の両手を掴んで離すと、静かにこう言った。
「ねぇ、お兄さんは本当にかなうがそうすることを望んだの?」
和也の言葉に、シオンが言った言葉が頭を過ぎる。
“お前は幸せになる権利がある”
違う、私に幸せになる権利なんかない。
私はシオンとアンナの幸せを奪ったんだ。
もう泣かないと決めたのに、何故か涙が溢れて視界が歪む。

