瞳が合うと、和也は寂しそうに笑った。
「・・・否定しないんだ。」
「・・・・・いつ、気付いたの?」
私はもう殴られてもいいと覚悟を決めた。
「昨日、かなうとお兄さん見てたらなんとなく。」
「そっか。」
「確信したのはさっきだけど。」
「・・・・どうして?」
「俺が他の女と居ても、あんな状態でもかなうは何も言わなかったから。」
「・・・・・。」
私はもう何て言ったら良いのか分からなかった。
「お兄さんは、かなうが好きなの?」
和也の問いに私は黙って首を振った。
シオンが好きなのはアンナであって、私ではない。
だけれど今は私を必要としている。
「じゃあ、かなうの片思い?」
和也の言葉に、私は曖昧に笑った。
片思いなんて、そんな簡単な事じゃない。
私はシオンを傷つけた。
その代償に自分を捧げる気でいるのだから。
「ねぇ、かなう。」
「・・・うん?」
「俺はお兄さんの代わりにはなれないの?」
「和也と兄は違うよ。」
私がそう言うと、今度は和也が黙ってしまった。
和也とシオン、2人を比べる事は出来ない。
それは好きな人が違うからだ。
シオンが好きなアンナと和也が好きな私。
私もシオンの事は好きだけれど、それは愛情と言うよりも責任と懺悔の為だ。
それを天秤に掛ける事は出来ない。

