叶う。 Chapter2





瞳が合うと、和也は寂しそうに笑った。


「・・・否定しないんだ。」


「・・・・・いつ、気付いたの?」


私はもう殴られてもいいと覚悟を決めた。


「昨日、かなうとお兄さん見てたらなんとなく。」


「そっか。」


「確信したのはさっきだけど。」


「・・・・どうして?」


「俺が他の女と居ても、あんな状態でもかなうは何も言わなかったから。」


「・・・・・。」


私はもう何て言ったら良いのか分からなかった。


「お兄さんは、かなうが好きなの?」


和也の問いに私は黙って首を振った。
シオンが好きなのはアンナであって、私ではない。

だけれど今は私を必要としている。


「じゃあ、かなうの片思い?」


和也の言葉に、私は曖昧に笑った。

片思いなんて、そんな簡単な事じゃない。
私はシオンを傷つけた。

その代償に自分を捧げる気でいるのだから。


「ねぇ、かなう。」


「・・・うん?」


「俺はお兄さんの代わりにはなれないの?」


「和也と兄は違うよ。」


私がそう言うと、今度は和也が黙ってしまった。


和也とシオン、2人を比べる事は出来ない。
それは好きな人が違うからだ。

シオンが好きなアンナと和也が好きな私。

私もシオンの事は好きだけれど、それは愛情と言うよりも責任と懺悔の為だ。

それを天秤に掛ける事は出来ない。