叶う。 Chapter2




エレベーターが1階に着くと、私はエントランスを通って玄関を出た。


「おはよう、アンナちゃん。行ってらっしゃい。」


今日の守衛さんは岸谷さんだった。


「おはようございます岸谷さん。」


私は愛想よく挨拶を交わした。
なんだか、岸谷さんの顔を見るのも久し振りな気がした。

だけれどきっとそれは、色々な事が一気に起こりすぎて周りを見ている余裕すら最近の私には無かったからだろうと思った。


吹き荒れる北風の中を、私はゆっくりと駅に向かって歩いて行った。


寒いと自然と急ぎ足になってしまう。

だから駅に着いたのは、まだ電車が来る時間よりだいぶ早い時間だった。

私はいつものコーヒーショップに立ち寄って、カフェラテを頼んだ。
いつもの様にそれをタンブラーに淹れて貰って、適当に空いている席に座った。

流石にこの寒い中で駅のホームで電車を待つ気になれない。


暫くすると、電車が到着する時刻が近付いて来たので私は席を立ってホームに向かった。


ホームで電車を待っていると、知らない女性がをじっとこちらを見つめている事に気がついた。


今やこの国では、ハーフという人種も少なくないし、なぜそんなにジロジロと視線を向けられているのか、私は意味が分からなかった。