叶う。 Chapter2





それから立ち上がると、制服に着替えてクローゼットからコートとマフラーを取り出してソファに掛けておいた。


そして鏡台に座ると、メイクを施した。

鏡に映る自分の姿に溜息を吐きながら、コンシーラーで丁寧に隈を隠していく。

髪を切ってから一ヶ月経ったので、最近なんだか色が斑になってきた気がした。

時間があったら美容院に行こうと思いながら、私は丁寧にメイクを完璧に仕上げた。

ナチュラルだけれど、浮腫みが目立たないようにしたメイクは、ママがやってくれた時みたいに完璧に仕上がった。

最近は泣いてばかりだから、何だか顔を隠すのが巧くなった気がする。

それはあまり嬉しい事ではないけれど、他人に泣き顔を見られるほど恥ずかしい事はない。

女は化粧が出来るから便利だと、そんなくだらない事を考えた。


男は泣いたら顔を隠す術がないから、涙を見せないのかとふと思ったけれど、そんな事はどうでもいいことに気がついた。


何だか朝から落ち着かない気分だった。


気分が落ち着かないと、くだらない事を考える時間が増える気がするのは私がそういう性格だからなのだろうか。

それとも、くだらない事を考えて考えたくない事を考えないようにしているのか、私には分からなかった。