叶う。 Chapter2





「ありゃ、相当参ってるな。」


そんなママの後姿を見つめて、レオンが頬杖をつきながらそんな事を言った。
いつもなら、そんなレオンの態度にだらしないと注意するママが居ないだけで、何だかすごくその空間が寂しく感じた。

だけれどレオンが余計な事を喋る前に、私は食べ終わった食器を片付けてリビングを出たかった。

ママがきちんと話をすると言ってくれたのだから、レオンに余計な事を吹き込まれたくなかったし、きちんとママから話を聞きたいと思った。

だけれどレオンは余計な事を言うつもりはなかった様子で、私が片づけをしている間も、シオンと何やらコソコソと話をしていた。


「支度してくるね。」


私はいつもの様に2人にそう言ってから、リビングを出た。

本当は色々知りたいけれど、きっと近いうちに分かるだろうと思ったし、何より今は私も自分の気持ちをきちんと整理してけじめをつけなきゃいけない。

あと4ヶ月したら、シオンは留学してしまう。

その前に、私は決めなければいけない事がある。



私は部屋に戻ると、学校の鞄を開いて教科書を全て取り出した。

今日は終業式だから授業はないはずだ。

そして代わりにこの前買って貰った写真たてと、ずっと渡せていなかった私の使っている石鹸を鞄に入れた。

私はベッドに置かれた携帯を手に取ると、少し早いけれど和也にメールをいれておいた。

いつもの時間に行くというシンプルなメール。