叶う。 Chapter2





シオンはそれを望んでいる?


「……私はアンナじゃないよ?」


「ああ、アリスだったな。」


「それでも良いの?」


「ああ、構わない。それよりお前は良いのか?」


「……分からない…………」


「何が分からない?」


まさかこんな展開になることなんて、私は想像すらしていなかった。

だから正直に、自分の心が分からなくなった。
シオンを支えたいと願っているのは事実だけれど、和也の傍に居たいと望んでる自分が居るのも事実だった。

だけれどシオンにはもう時間があまりない。


「……あの男か?」


シオンの瞳が一瞬悲し気に揺らいだ気がした。


「……良い男だったな。」


シオンはそう言って、私から視線をそらした。
私は何も言うことが出来なかった。


「安心しろ、お前が嫌なら無理強いするつもりはない。さっきも言ったが、お前には幸せになる権利がある。」


「……シオンにも、幸せになる権利があるよ。」


「…………俺には、もう無理なんだ。」


「ママが言ってた……私達3人が幸せに生きるのが、ママの願いだって。だからシオンも幸せにならなきゃダメなの。」


私の言葉に、シオンは黙って首を振った。