シオンはそれを望んでいる?
「……私はアンナじゃないよ?」
「ああ、アリスだったな。」
「それでも良いの?」
「ああ、構わない。それよりお前は良いのか?」
「……分からない…………」
「何が分からない?」
まさかこんな展開になることなんて、私は想像すらしていなかった。
だから正直に、自分の心が分からなくなった。
シオンを支えたいと願っているのは事実だけれど、和也の傍に居たいと望んでる自分が居るのも事実だった。
だけれどシオンにはもう時間があまりない。
「……あの男か?」
シオンの瞳が一瞬悲し気に揺らいだ気がした。
「……良い男だったな。」
シオンはそう言って、私から視線をそらした。
私は何も言うことが出来なかった。
「安心しろ、お前が嫌なら無理強いするつもりはない。さっきも言ったが、お前には幸せになる権利がある。」
「……シオンにも、幸せになる権利があるよ。」
「…………俺には、もう無理なんだ。」
「ママが言ってた……私達3人が幸せに生きるのが、ママの願いだって。だからシオンも幸せにならなきゃダメなの。」
私の言葉に、シオンは黙って首を振った。

