「会えなくはないだろうが、兄妹としてな。だけど2度と今みたいに普通に話すことも出来なくなるだろうな。レオンとも、お前とも。」
「どうして、嫌だよ・・・そんなの・・・」
「俺に近づけば、容赦なく殺されるぞ。」
シオンの言う意味が全く分からなかった。
何故兄妹なのに、近づけば殺されるのか。
「ごめん、分からない。どうして兄妹なのに、殺されるの?」
「お前は本当に詮索好きだなアリス。」
シオンはそう言ったけれど、微かに笑みを浮かべたままだった。
「俺の親父は普通の人間じゃない。そう言えば分かるか?」
「・・・・どう普通じゃないの?」
「全うな人間じゃないって事だ。殺し、薬の売買、人間の売買までしている人間が普通の人間だと思うか?」
「それを継ぐの?シオンが?」
「・・・そうだ。」
「・・・・どうして?」
「どうしてもだ。」
「断れないの?」
「断ったら俺は死ぬ事になるが。」
「そんなの嫌だよ・・・。」
私がそう言うと、シオンは小さくこう言った。
「俺も嫌だよ。」
そう言ってシオンは、今まで私に向けたことがない程の優しい眼差しで私の頬を撫でた。
意味が分からない。
私には分からない世界だった。
だけれどシオンがそう言っているのだから、きっとそういう世界なんだろう。

