シオンは私を病院から連れ出した。
パジャマ姿の私を連れて、まだ子供だったシオンは走って病院から逃げ出した。
だけれど子供の体力なんて、直ぐに限界がきてしまう。
特に元々身体が弱い私にとって、長時間歩くだけでもいっぱいいっぱいだった。
結局私達は、病院から2キロ離れた公園までしか辿り着けなかった。
私達はその公園で夕日が沈むのを2人で眺めていた。
公園のベンチに座りながら、しっかりと繋いだ手をずっと離さなかった。
「ずっと一緒にいよう。」
段々と暗くなるその場所で、シオンは静かにそう言った。
「どうしたら、ずっといっしょにいられるの?」
子供ながらに、大人びていた私はシオンにそう聞いた。
「けっこんしたらずっといっしょにいられるのかな?」
私はそう言って、地面に落ちている小石を蹴った。
「結婚できないよ、大人じゃないから。」
「じゃあずっといっしょにいられないよ?」
私がそう言うと、シオンは困ったように笑った。
だけれど直ぐに私の手をぎゅっと握ってこう言った。
「アンナ、僕達が結婚できるまで一緒に居られる方法があるよ。」
私はその意味が分からなくてシオンの顔をじっと見つめた。
「アンナが僕の家族になればいい。」
シオンの言葉に私は目を見開いた。

