叶う。 Chapter2





リビングの扉は少し開いたままだったので、私はそこから中の様子を覗き込んだ。
シオンは冷蔵庫から水を取り出すと、いつもの様に一気にそれを飲んでいた。

グシャっとペットボトルを潰す音に、私は思わずビクっと全身が飛び跳ねた。


「・・・・・。」


シオンは覗き見している私に気付いて、こっちをじっと見た。


「なんだ?」


こちらに向かって歩きながら、私にそう声を掛けてきた。


「な、なんでも、ないよ・・・。」


シオンが目の前にやってくると、思わず声が震えた。
だけれど私はきちんと話をしたい事を思い出し、どうやら今は機嫌の良さそうなシオンに、なんとか話を出来ないかと思った。

だけれどそれはシオンも同じだったようだ。


「・・・お前に話がある。」


私はその言葉にごくりと唾を飲み込むと、小さな声でこう言った。


「・・・私も、話があるの。」


「俺の部屋へ。」


私がそう言うとシオンは私の腰の辺りに手を添えて、自分の部屋に私を連れて行った。
明らかにおかしいシオンの様子は、とても恐怖心を煽られる。

だけれど何だか昨日よりも落ち着いてる今なら、きちんと話が出来るような気がした。

それに今日はママも家に居る。
いざとなったらママの部屋に逃げればいい。

私はそんな事を考えながら、シオンの部屋に足を踏み入れた。