リビングの扉は少し開いたままだったので、私はそこから中の様子を覗き込んだ。
シオンは冷蔵庫から水を取り出すと、いつもの様に一気にそれを飲んでいた。
グシャっとペットボトルを潰す音に、私は思わずビクっと全身が飛び跳ねた。
「・・・・・。」
シオンは覗き見している私に気付いて、こっちをじっと見た。
「なんだ?」
こちらに向かって歩きながら、私にそう声を掛けてきた。
「な、なんでも、ないよ・・・。」
シオンが目の前にやってくると、思わず声が震えた。
だけれど私はきちんと話をしたい事を思い出し、どうやら今は機嫌の良さそうなシオンに、なんとか話を出来ないかと思った。
だけれどそれはシオンも同じだったようだ。
「・・・お前に話がある。」
私はその言葉にごくりと唾を飲み込むと、小さな声でこう言った。
「・・・私も、話があるの。」
「俺の部屋へ。」
私がそう言うとシオンは私の腰の辺りに手を添えて、自分の部屋に私を連れて行った。
明らかにおかしいシオンの様子は、とても恐怖心を煽られる。
だけれど何だか昨日よりも落ち着いてる今なら、きちんと話が出来るような気がした。
それに今日はママも家に居る。
いざとなったらママの部屋に逃げればいい。
私はそんな事を考えながら、シオンの部屋に足を踏み入れた。

