叶う。 Chapter2





聞いてしまってから、後悔した。

私はまた余計な詮索をしてしまった。
しかも完全に無意識に。

だけれどママは、そんな事はあまり気にしていないようにこう言った。


「ママはね、小さい頃は友達とは遊べなかったのよ。」

「え?どうして?」

「ママの家は、とっても厳しい家でね。だからお友達と遊んでる時間がなかったの。」


ママは何でもない風にそう言った。


「だからママは、自分の子供には沢山色々な事を経験して欲しいと思ってるの。」


ママがそう言った瞬間、車は信号で止まった。

ママは優しい笑顔で私を見つめると、相変わらず楽しそうにこう言った。


「でもね、ママは自分の過去を恨んだりしてない。過去があるから、私には大切な家族が3人も出来たんですもの。だからママは今は本当に幸せなの。アンナも後悔してはダメよ。辛い事は沢山あるけど、それが将来アンナにとって大切な事になるかもしれないのだから。」


ママがそう言ったと同時に、信号が青に変わった。
車はそのまま左折した。


そして直ぐに公園の入り口が見えてきた。


そこには暗がりで携帯片手に佇む、和也の姿があった。
やっぱり和也はとても目立つし、ただ立っているだけなのにモデルさんみたいなオーラがある。

車はゆっくりと減速して和也の直ぐ隣に停車した。