ママが施してくれたメイクは、発表会の時と同じくらい綺麗に私の泣き顔を隠してくれた。
やっぱり目は重いけれど、それでもこんなに大泣きしたことがばれる事はきっとないだろうくらいまで回復した自分の顔を手鏡で覗き込む。
そこに映るのはいつもより少しだけ眠そうな自分の顔だった。
ママはずっと路肩に車を停めたままだとまずいので、近くの駐車場に車を停めて私のメイクを直してくれた。
鏡を確認する私に、ママは優しくこう声を掛けた。
「アンナも色々と悩む時期かもしれないわね。でもね、ティーンの頃は皆そんなものなのよ。」
ママはそう言って、私の髪を撫でたので私は鏡からママに視線を移した。
「ママも沢山、泣いたり笑ったりしたものだわ。それにどうでもいいことを一生懸命悩んだり、悔やんだり。でもそれはね、皆同じなのよ、そうやって皆大人になるんだから。」
ママの綺麗なブルーの瞳が見たことのないくらい優しい光を帯びている気がした。
「それにね、どんなに泣いても解決出来ないことは沢山あるの。自分の力で解決出来ないことは、悲しいことだけど世界には存在するのよ。だからアンナが自分で解決出来ないと思ったら、いつでも相談して頂戴。」
ママはそう言って優しく微笑んだ。

