私は自分でもなぜこんな風に感じたのか分からなかった。
ただ1つ確かなのは、シオンのおかげで私は大切な事に気がついたのだ。
今までずっと暗闇の中で生きてきた私には、色のあるこの世界がとても新鮮で、最初は復讐心と好奇心だけだった。
見るもの全てに興味を抱き、それに触れたり眺めたりするだけで満足すればきっとこんな風にはならなかっただろう。
だけれど私は自分では気付かないうちに、必要以上に欲深く詮索したり、色々な事に首を突っ込んだり、あれこれやりたい放題していたのだ。
やっぱりシオンに素直に謝ろう。
ママが言ってくれた通り、私達は家族なんだ。
例えアンナがもう目覚めなくても、シオンに冷たくされ続けても、私はやっぱりこの家に居たい。
幼くて何も出来ないアンナの目を通して、ママ達がどれだけアンナに手をかけて育ててくれたのか、私はずっと傍で見ていた。
それなのに、私は自分勝手に好き放題していたことにとても反省した。
ママは泣き続ける私を優しく抱き締めたまま、時折優しく背中を撫でてくれた。
何も聞かないママの優しさは、それだけで充分に伝わってきた。
結局私の涙が止まったのは、和也との約束の時間の30分くらい前だった。
朝よりも酷くなった顔に、ママは苦笑いしながらも綺麗にメイクを直してくれた。

