「どうしたの?急に?」
ママは心配そうな顔で、しっかりと私の顔を覗き込んだ。
「私ね……ママに…捨てられたくないよ…。」
そう言ってしまったら、何故か途端に涙が溢れ出した。
そう、私はシオンにもママにも捨てられる事が心から怖くなった。
自分の欲深さに、私はアンナと自分を比べてやっと気が付いた。
そんな自分自身がとても情けなかったし、同時にそんな自分に嫌気がさした。
私みたいな下劣で欲深い人間が、純粋無垢な穢れを知らなかったアンナみたいに愛される訳がない。
私はそう思うと涙が止まらなくて、化粧が落ちるのも構わずに泣き続けた。
「アンナ……どうしたの?」
ママは酷く戸惑っていたけれど、泣きじゃくる私の頭を優しく撫でると、自分の額と私の額を合わせてこう言った。
「アンナ、何があったかママには分からないけど……」
ママはそう言うと、涙で歪む私の目線をしっかりと捉えた。
「私はアンナを捨てたりしないわ。何があっても。ママは貴女を愛してるの。」
ママはそう言うと、私を優しく抱き締めた。
「アンナ、何があったのか話したくないなら聞かないけどね、貴女はもう独りじゃないのよ。」
ママは私を抱き締めたまま、優しくこう言った。
「貴女だけじゃない。シオンもレオンもママも、皆で家族なのよ。何があっても。だから心配しないで。」
私はママにしがみついて未だに止まらない涙を流し続けた。

