あの時も、ママは嫌な顔どころか私が欲しがる物を迷いもなく全て買ってくれた事を思い出した。
初めての買い物に、私はあれもこれもと思い付く限りの色々な物を欲しがった。
私はやっぱりアンナとは違う。
私はあれだけ嫌っていた欲深い大人とそんな自分が同じに見えて、更に気分が落ち込んでしまった。
ママは無言で窓の外を見つめる私に、何かを感じたのか突然こう言った。
「今日はあまり元気がないわね?何かあった?」
私は突然そう言われて戸惑った。
何だかんだ言っても、8年もアンナを育てて来たんだ。
私の様子がコロコロとおかしくなると、ママはそれに直ぐに気が付く。
アンナと私が入れ替わった時も、シオン程じゃないけれど、ママも直ぐに気が付いた。
私は何故か更に悲しい気持ちになった。
シオンもママも、アンナをどれだけ大事にしていたのか気が付いてしまったからだ。
「ねぇ、ママ。」
「うん?」
「もしもだけど……」
「……うん。」
「私がアンナじゃなかったら、ママは私を引き取ってくれなかった?」
「……どうして?」
私がそう言うと、ママは静かにちらっと私の方を向いた。
突然おかしな事を言い出した私に、ママはとても驚いた様子だった。
ママはまずいと思ったのか、ハザードをつけて車を端に寄せた。

