叶う。 Chapter2






値段すら見ていなかったし、波多野さんは電卓を叩いてママに金額を提示していたので私にはそれが幾らするものなのか分からなかった。

ママはいつもクレジットで支払いをするので、私は尚更ママが毎月どのくらいの金額を使っているのかすら検討もつかない。

だけれどそれはママの自由だし、私は気にする必要はなかった。


写真立ては綺麗に包装されていた。
私はそれを丁寧に受け取ると、ぶつけたりしないように慎重に持って波多野さんに見送られながらママと一緒にお店を出た。


「・・・・ママ、ありがとう。」


お店を出てすぐに、ママにお礼を言った。
ママはそんな私の髪をやさしく撫でるとにっこりと笑った。


「和也君、喜ぶといいわね。」


そう言って私を車に乗せると、ママは運転席に回った。

車に乗って時間を確認すると、夕方の4時半を少しすぎたくらいだった。


「まだ夕飯には早いわね、6時くらいだっけ?じゃあ、もう少し買い物でも行きましょうか?」


「うん!」


私はもう写真立てだけで充分満足だったけれど、ママが何だか楽しそうだったので、笑顔で頷いた。

私のそんな姿を確認すると、ママは車を走らせた。


ママと買い物に出たのも、とても久し振りな気がした。
発表会の前に1度出掛けた時は、化粧品やら服やらを大量に買って貰った事をふと思い出した。