叶う。 Chapter2





だけれど本来、人間は欲深い生き物なのだ。
表面的にはそんな姿を隠して生きている人がほとんどだけれど、裏を返せばみんな欲に塗れて溺れている。

私はそれを嫌というほど見てきたし、その欲の捌け口にされてきたのだから。
それに欲があるから人は生きていけるのだと私は思う。

美味しい物を食べたい、とか

優しい恋人が欲しい、とか

家が買いたい、とか

ペットが欲しい、とか

数えだしたらきりが無いけれど、だからこそ人は、それを手に入れるために努力をするのだ。
確かに私は今まで抑えていた分、貪欲に色々求めすぎてしまったけれど、アンナにだって多少なりとも欲はあった。

それは普通の女の子みたいになりたいと、あの子は常日頃から願っていたことを私は知っている。

今アンナとして生きている私は普通の女の子だから、きっとあの子が今の自分を見たら、喜んでくれるのだろうか?

これがアンナの願った、本来の自分の姿なのだろうか?


だけれどその答えは、アンナにしか分からない。
あの子の幸せはあの子にしか分からない。


なんだか昨日から、私はアンナの事ばかり考えてしまう。
だけれど私の身体はアンナのものなのだから、それも仕方ない事なのかもしれない。

この身体を私が傷つけたりしたら、きっとまたシオンの逆鱗に触れて大変な事になるのは目に見えているのだから。