エレベーターが地下へと着くと、ママはいつもと同じ車に向かって歩いて行った。
私も直ぐその後に続く。
車に着くと、ママが鍵を開けてくれたので大人しく助手席に乗り込んだ。
ママは運転席に座ると、いつもの様に大きめのサングラスをかけてから車のエンジンを掛けた。
ガレージを出ると途端に日の光が眩しくて、私は目を細めた。
ママが何故地下なのにサングラスをかけたのか理由がわかった。
「じゃあ、ソファから見に行きましょうか?」
「うん!」
ママが運転しながらそう言ったので、私はすぐにそう返事を返した。
車の窓から見える景色を眺めながら、私はどんなソファにしようかと考えを巡らせた。
何だかんだ言ったって、家具を選んだりすることは多分万人に共通して楽しい事だと思う。
あれが欲しいとか、これが欲しいとか、考えるだけでわくわくするし、特に女の子にとってはそれは特別珍しい感情じゃない。
アンナはそんな欲すら無い子だった。
だけれどアンナも可愛いとか、綺麗だとか、そういう感情は持っていた。
ただそれが欲しいとか、手に入れたいとか、そういう風に感じることが、あの子には出来なかった。
私は何だか、またアンナが羨ましくなった。
欲だらけの昨日までの自分が、何だか酷く汚い存在に感じた。

