叶う。 Chapter2





玄関を出ると、昨日とは比べ物にならないくらい暖かい空気になんだか気持ちがほっこりした。
ゆるりと流れるように吹いてくる風は南風で、まだ12月なのになんだか春みたいな陽気だった。


「これだけ暖かいと、夜は冷え込みそうね。」


庭を通り抜けながらエレベーターに向かう途中、ママは優しい声音でそう言った。


「うん、コート持ってきた方がいいかな?」


私がそう言うと、ママは優しく笑ってこう言った。


「寒くなったらついでに新しいのを買うといいわ。」


そんなママに私も笑顔を向けると、ママの腕に自分の腕を絡めた。

ママはそんな私にご機嫌そうに双子そっくりな蒼い瞳を細めて笑う。
明るい所で見るママの瞳は、微かにグレーがかっているように見えた。

それは年齢を重ねたからなのか、それとも元々の色なのか私には分からなかった。

ただ双子とそっくりな瞳の形をしていたから、私は双子と同じ色だと勝手にそう思ってたんだ。

双子の深い蒼い色を思い出し、なぜそんな事を今思い出したのかと疑問に思った。


そんな私の思考はきっとママに伝わっていなくて、ママはいつもの様にエレベーターを呼ぶと、私を乗せてそのまま地下駐車場へと降りていった。