私は溜め息を吐くと、そんな地味な自分を眺めてがっかりした。
正直なところ、和也の事は好きだし可愛い姿で会いたいと思うのが女性として当たり前なのだろう。
だけだとシオンにそれを見られたらと考えたら、派手に可愛くなんてする気もおきない。
それに和也には申し訳ないけれど、私はもうシオンの事でいっぱいいっぱいだ。
だから今は和也に好かれるよりも、嫌われるように行動しないといけない。
凛じゃないけれど、家族の事に和也を巻き込みたくなかった。
しかも極普通に生活してきた人に、こんな物騒な家族が関わりを持つ事自体おかしな事だと、おかしな私でも理解出来る。
和也の事を考えたら、一刻も早く縁を切る事が最善なのだ。
私は何だか酷く寂しくなったけれど、何とか気持ちを切り替えた。
ベッドに置かれた携帯を手に取り、今は何も悟られないように和也に電話を掛けた。
電話は直ぐに繋がった。
「もしもし?」
"かなう?どうしたの?"
和也の優しい声が、なぜか凄く耳に心地良い。
「あのね、今日ママと買い物に行くんだけど、帰りに夕飯一緒に食べない?って、ママが。」
"マジで?会えるの嬉しい!良いの?"
和也は心底嬉しそうにそう言った。
何だか胸がチクリと痛んだ。
「うん、ママがそうしないって。だから、何時くらいが都合が良い?」
"ダンスが7時半だから、その前で大丈夫?"
「うん、ママもお休みだから大丈夫だと思うよ。」

