叶う。 Chapter2





シオンは本当に不思議な人間だ。

私が言ったあんな少ない情報だけで、多分私が説明したかったこと全てを理解している。

頭は元々良いのだろうけれど、それでも瞬時に私にとって必要な事を冷静に判断して、こうして私を落ち着けた。

いつも冷たい目で私を監視している事は気に触るけれど、私は何となくだけれどシオンは私の全てを理解しているような気がしてきた。

あの子は小さい頃から母親に虐待されてた。
毎日必死にそれに耐え続けていたけれど、ある日からそれに耐える事が出来なくなった。

それは母親の男が、まだ小さかったあの子の身体を触り始めた時だった。

幼かったから、怖くなったあの子は母親にその事を訴えたけれど、母親は酷く激怒してあの子に暴力を振るった。

それからしばらくして、母親は知らない男を家に連れて来たり、あの子を知らない男の家に連れて行ったりするようになった。

あの子はそれに耐えられなかった。

だから私が生まれた。
私は大事な商品だったから、母親は自分以外が私を傷つける事は許さなかった。

それが唯一あの女がした母親らしい行いだったと思う。

だから私は、触られたり舐められたり、嫌がる私に自分の身体を触らせたりはされたけれど、貞操は何とか守られていた。

そもそも、まだ幼稚園ほどの年齢の子供に大人の身体が受け入れられるわけもなかったので、もしやられてたら命に関わる事だったろうと今となってはそう思う。