“大事な事、今伝えてもいい?”
少し改まった感じでそう言われたので、私は意味がわからなかったけれど、とりあえず時間もないので「うん」と返事をした。
“愛してる”
たった一言、和也はそう言った。
“どんな結果でも、俺はかなうを愛してるよ”
優しく囁かれたその言葉に、私は何故か心が温かくなるのを感じた。
そしてさっきまでの緊張が嘘みたいにすーっと全身から抜け出ていってしまったかのように消えてなくなった。
「あ、ありがとう。何かやる気出てきたかも。」
私がそう言うと、和也は嬉しそうに笑った。
“それは良かった。でも無理しないでな。”
「うん、頑張る。多分もう終わるまで連絡出来ないと思うけど。」
“今日は親父の店に行ってるから、何かあったらいつでも電話でもメールでもしてな。”
「うん。ありがとう。」
私は何だか優しい気持ちで電話を切った。
ただの言葉なのに、なぜこんなにも気持ちが落ち着いたのか自分でも分からなかった。
だけれどなぜか俄然やる気が出てきた。
自分が単純なだけなのか、それとも和也が人に安心を与えるのが上手いのかはわからないけれど、トイレを出た私は思わずスキップしたくなるくらいご機嫌だった。

