叶う。 Chapter2





仕方ないので、後部座席に大人しく乗り込もうとしたけれど、なぜか双子は並んで座りたくないらしく、私は結局二人の間に挟まれて座る羽目になった。

お天気は悪いし、双子には挟まれるし、朝から何だかついてない。

携帯をいじりたかったけれど、シオンが隣に居るおかげでそれすら出来なかった。

右を見ればドアにもたれ掛かって退屈そうにしているシオンが居て、左を見れば何やらタブレットをいじってるレオンが居て、私は盛大に溜め息を吐きたいのを必死で我慢した。

会話でもしてくれればまだ気分が紛れるのに、どうやら二人は会話をする気も私に気遣う気もないらしい。


なので仕方なく目を閉じて、左手だけ膝の上でイメージトレーニングを再開した。
本当は右手も使いたかったけれど、シオンは何故か私の手を離そうとしない。

右手から伝わる体温は心地良いけれど、これが和也だったらきっと私はもっと落ち着くだろうと密かに思っていた。


ママの運転する車はそれから直ぐに、ピアノの先生の自宅前に止まった。


先生はもうばっちり準備を終えていたんだろう。

車が玄関前に止まると同時に玄関の扉が開いた。


先生もママと同じように、かっちりとしたワンピースに厚手のトレンチコート姿だった。


先生の姿を確認すると、すぐさまレオンが車を降りて先生を迎えに行った。