「うん、大丈夫。」
「じゃあ、先生の所に寄って行きましょう。」
ママはそう言ってシオンから私の手荷物を受け取ると、玄関を開けて傘をさしてエレベーターに向かった。
「アンナの衣装汚れないようにね。」
ママが大荒れの中、大きな声でそう言ったからか、私は何故かシオンに肩を抱かれてぴったりと密着した状態で玄関を出た。
吹雪のような天気の中、シオンは傘をさして私を雨風から守って歩いてくれたので、おかげで私はエレベーターまで衣装を汚すことなく辿り着く事が出来た。
「マジ寒すぎ‼」
玄関の鍵を閉めて、一番最後にやって来たレオンがそう言ってエレベーターに乗り込むと、ママは地下駐車場へとエレベーターを下ろした。
ここまで来ればもう安全だった。
会場もきちんと雨避けのある場所で車を降りる事が出来る。
だから私はシオンの手をさり気無く振りほどこうとしたけれど、どうやらシオンは私の手を離す気がないらしい。
何だか微妙に嫌だったけれど、そのうち離すだろうと思って私は諦めた。
エレベーターは直ぐに地下へと着いた。
ママは今日はいつもと違う車に向かって歩いた。
それは誰しも知っている大型の高級車だった。
多分人数とお天気のせいだと思ったけれど、助手席に乗りたかった私は、先生が乗るからと後ろに乗るように言われて心底ガッカリだった。

