私は部屋に入ると、そのままソファにだらしなく座る。
少女趣味なこの部屋は、正直居るだけで不快な気分になる。
あの子は何でも人任せで、本当に自己主張をしないつまらない子だったからこうなったんだろう。
私は呆れて溜め息を吐いた。
でももう大丈夫、私が全て塗り替えてあげられる。
汚い過去も、何もかも、全ては思い通りに・・・。
私は時計を確認すると、そのまま起き上がり洗面所に向かった。
備え付けられた掃除用具入れから、掃除用のビニールの手袋を取り出してママの部屋に向かう。
時刻は7時だから、兄達は今日はきっとまだ帰らないはずだ。
ママの部屋にたどり着くと、私は両手に手袋をはめた。
鍵が閉まってないことを祈りながら、取っ手に手を掛ける。
カチャリと音がして、扉が開いた。
これは予想外にラッキーだった。
なぜなら、ママはいつも部屋に鍵をかけて出掛ける。
今日は多分動揺していたのと時間がなかったので、きっとうっかり忘れてしまったんだろう。
いつでも物音が聞こえるように、私は扉を開けたまま中に入った。
兄達がいつ帰宅するか分からないので、あまり長居は出来ない。
私は早速お目当ての物を探した。

