嵐のような1週間は、あっという間に過ぎ去った・・・・・・・・。


その間の私は学校もろくに行けず、毎日和也と凛が心配して沢山のメールや電話をしてくれた。

和也はあの話をして以来、少し過剰なほど私に執着してしまった様だった。
私が学校を休むと、必ずといって良いほど例え10分でも時間があれば一緒に居たがった。

その申し出は私にはとても有難かった。
何故なら息が詰まる程のピアノの練習だけの日々に、唯一安らげる時間だったからだ。

和也はいつもよりも私を気遣ってくれたし、私はそんな和也の優しさに完全に依存していた。

あの日以来、以前にも増して和也は私を大切に扱ってくれた。

まるで私がガラス細工かなんかみたいに、壊れないように傷つけないように、とても慎重に大切に私を扱ってくれた。

私という人格を全て受け入れるというそんな態度に、私は自分でも制止出来ないほどの居心地の良さを感じていた。

和也は本当に優しくて、私がこれまで出会ったどの人間とも全く違った。

純粋に私だけを見て、愛してくれている事がいつも伝わってくる。

ママやレオン、多分シオンも私を愛してくれているとは思うけれど、和也の愛情とはまた違う。

本当の愛情を知らなかった私には、どれが本物でどれが偽りなのか判断することは出来なかったけれど、それでも居心地はとても良かった。