私は思い出したくないように態と大きく溜息を吐いた。
「私もね、中学生になって最初は私立の女子校に通ってた。多分、名前を言えば誰でも知っている学校だと思う。」
私がそう言うと、和也は何かを思い出したかのように目を見開いた。
「・・・まって、それって・・・まさか・・・」
和也が驚いてそう言ったので、多分あの事件を知っているんだと思った。
マスコミにすら取り上げられたあの事件は、近隣ではもちろん有名だったろう。
だけれど私は和也を見つめたまま、無表情で話し続けた。
「知ってるかもしれないけど、その学校で虐めをしていた子が一人の女の子をお金で雇った男達に輪姦させたの・・・・。」
私がそこまで言うと、和也は瞬時に理解したようだった。
「・・・・その被害者が私なの・・・・」
唖然と私を見下ろす和也に、私はそう言った。
「・・・軽蔑したでしょ?・・・私は清純なんかじゃない。それに、兄達はその事件のせいで、いつも私に対してすごく過保護なの。」
私はそう言って、和也に背を向けた。
後のことを決めるのは和也だし、これで私とシオンの関係もきっと和也の頭を離れただろう。
物音一つしない室内が、こんなに居心地が悪いなんて今まで気にもしなかった。
あの子はいつも、静寂を嫌ってた。
何となくだけれど、あの子の気持ちがほんの少しだけ理解出来たような気がした。

