和也が玄関に入ったので、私はそのまま玄関を閉めて鍵をかけた。

「つーか、かなうの家やばい。」

玄関を上がりながら和也がそんな事を言ったので、私は笑いながらこう言った。

「私の家じゃないよ、ママの家だもん。」

私がそう言うと、和也はおかしそうに笑った。

「でも住んでるじゃんw」

「・・・・うん。」

私がそう言うと、和也は何だか満足げに笑って、私に着いて玄関を上がった。

「お邪魔します。」

和也はきちんとそう言ったけれど、返ってくるのは静寂だけだった。
凛の時もそうだったけれど、マンションの最上階に庭があるのはそんなに珍しい事なんだろうかとふと思う。

私は今まで、他のマンションに行った事がないから分からなかった。
今度行く機会があったらしっかりと見てみようと思いながら、私は和也にこう尋ねた。

「リビング行く?私の部屋行く?」

「かなうの部屋に決まってんじゃん。」

和也は楽しそうに周りを見ながらそう言った。

「じゃあ、こっち。」

私はそう言って、和也と手を繋いで廊下を歩いた。
部屋の前に立つと、いつもと同じく静かにその扉を開く。


「めっちゃ可愛いw」


私の部屋をぐるりと見回してご機嫌な和也はそう言った。