父さんが風呂から上がり

松本が風呂へ

花火の片づけをして、母さんと結は台所で

フルーツを切っていた

何となく台所を…覗きに行ったら

結が膝がガクッと落ちる

「結!?」

倒れそうになった体を後ろから支えた

何だか後ろから、抱きしめてる感じ

「母さん!結の薬入れとってきて!!」

母さんが薬入れを取りに行く

父さんが水をグラスに用意してくれる

「結!!しっかり!」

「きょ…ちゃん…へーき……だ…よ」

全く、平気そうじゃない!!

ついつい、結をギュッと抱きしめる

完全、親の前とかいう羞恥心は飛んだ

「はい!持ってきた!!」

ガサガサ!!

「これとこれだよな?」

頷く

薬を結の口に入れる、父さんが上手に水を飲ませる

「眩暈と胃薬ね」

「うん…くらくら……でも、へーき」

母さんが結の手を握る

「やっぱり、一緒に暮らしましょう?
1人の時に、こんなことあったら薬ものめないわ!!」

やっぱりって?
一緒に暮らすって?

「へへっありがとう」

少し楽になったのか、笑いながら返した

「でも……ごめんなさい」

何となく……俺が振られた気持ちになった

「よくわからねぇけど、こいよ?」

足掻いてみたかった

「俺に気を使うなって言ったろう?」

健ちゃんにも、佐山にも、勝てっこない

「結が1人で苦しんでんの見たくねえ!」

だけど、諦めたくない

「なぁ!?うちにこいよ?」

俺も……怖いんだ

健ちゃんみたいに、結がいなくなる

そんなこと…考えたくない!!

だけど……どんどん悪くなっていく結

今、この手の力を緩めたら消えてしまう

「恭ちゃん……」

結が俺の腕に手をのせる

「結が一緒に住むって言うまで離さない」

カッコ悪い…

ワガママなガキ

弱い男

「困ったなぁーふふふっ」

「結、私達は家族だ!遠慮は、いらないよ」

父さんか言う

母「そうよ!」

浩「甘えとけ!!」

松「そうだぞ!!」

信「ナナ1人でいてろくなことねえし!」

いつの間にか風呂から上がった松本と

全員で説得!!


「気持ちだけもらう!ありがとう!!」


はっきりと振られた

皆の力を借りたのに、俺は振られた


その後、いつも通り明るく振る舞う結が

何となく…ムカついた

結にとって必要なのは、俺じゃない

そんなことわかってた

だけど…無理して笑うなんて、結じゃない