ガラガラ


「ジャーン!!親御さんの理解も得た!
取り返してきた!!」

ピラピラと退学届を見せる

「こんな紙1枚で、終わらせるような
簡単なことじゃない!!」

「残念だけど…部活は辞めるから」

「はぁ?お前、俺を虐めて楽しいか?」

「部活は、この紙1枚で終わり!!
部活をしていないので、このクラスには
いられない!じゃ!」

「俺は受理してない!!」

「本人の意志を尊重するんでしょ?」

「勢いで辞めるとか無しだっ!」

「夏休み中、悩んで決めた!」

「嘘つくなよ!」

「薫も疑うんだ?」

「え?」

「信じない」

結は、教室を出た

まるで学園ドラマのワンシーンみたいな

2人のやり取り

静かに見守るだけの俺たち


信じられない事続き


ある日の放課後

結が体育館に佐山を連れて来た

結は、ペットボトル1本と籠に入ったボールを持ってきた

「言っても信じない!
見れば、納得いくでしょ!?」

夏休み中にやったアレだ

佐山が腕を組んで結を睨む

結は真剣な目

しかし、10球超えても

1本が倒せない

佐山もあの日、応援してた俺たちも

驚いた


籠の中のボールがなくなっても

ペットボトル1本

倒せなかった

天井見上げて結が言った

「こんだけ打って当たらない方が奇跡!
本当、ムカつく!!!」

籠を持って、球拾いにいく

戻ってきてから、立ち尽くす佐山に

「納得した?」

「何で?急に……」

「さあ?仕方ないんじゃない?」

「怪我?」

「どうでもいいよ」

「よくねぇ!!」

「いいよ……」

「言えよ?何かあったんだろ!!」

「わからない。本当、どうでもいいから」

「どうでもいいなんて、言うなよ!!」

「責めないでよ!!
これでも落ち込んでるんだから!!」

ボールとか部室に直し、鍵を佐山に投げる

「もう、出来ないから!
薫が何て言おうが辞める!!」

「七瀬!!ごめん!!」

「そういうの要らないから!!」