始業式の日

「えー。今日は、休みだが七瀬が正式に
うちのクラスに入る
知っての通り、無茶苦茶な奴だ
仲良くしてやってくれ
七瀬がいないから言うけど、男前な性格だが、女だ
男の中に一人で不安もあるだろう、そこらへん男としてサポートよろしくな!!」


心の中でガッツポーズした


翌日


HRに少し遅れて結が教室に入った

「遅刻とは、良い度胸だなぁ?」

教卓に紙を2枚、鍵を置いた

「辞めるから」

「はぁ?」

「さよなら」

「ちゃんと説明しろ!!」

「学校辞めるから、退部届とあたしの代わりに部長してくれる子の入部届と、部室の鍵」

「そうじゃない!何で学校辞めるんだ?」

「さぁ?」首を傾げる

「真面目に聞いてんだぞ!?」

「真面目に答えてるよ?
あたしがいない方がいんでしょ?」

「誰がそんなこと言った?」

「薫」

「俺はそんなこと言ってねぇ!!」

「菅井(結の担任)が言ってたよ?
佐山先生は、あたしに懐かれて迷惑だって言ってたって!」

「菅井先生の方が、信じれるのか?」

「どうでもいいよ
どうせ、辞めるし?」

「ちゃんと話そう!?」

「今、保護者が手続き中だし、無駄だよ」

「さっき、さぁ?ったな?
お前の中で辞める理由がないんだろ?
俺が阻止してくる!」

「いらない。そういうの本当嫌なんだよね」

「人生、簡単に変えられていいのかよ?
お前、入試の時俺に言ったろ?
かわりたいって!!
俺がかえてやるから!退部届、阻止したら、俺を信じろよ!!
ここで待ってろ!!」

佐山が教室を出て行った

「薫ってほんっとに、むさ苦しい!」

と言いながら、佐山の手帳をペラペラ勝手にめくる

そして

「かわりに、出欠とりまぁーす!」

「浅井くん」 「はい」


……皆、素直に出欠とられてる


出欠も取り終えて


「はぁ」 結がため息をついた

「七瀬、佐山は絶対、退学を阻止してくれるからな!」

「知ってる……だから、嫌なんだよね
ただでさえ、付き合ってるとか噂されたりしてんのに、薫……クビになったら
あたしのせいだよね……」

「それでクビなら、清々するよ!
佐山はそういう先生だ!!」

「むさ苦しいのが、移ったの?ふふふっ」