【俺、恭の気持ちです!】

月曜日

浩一は、特特進の日

昼休み、松本から言われた

「森田さぁ…梨絵ちゃんのこと
ちゃとしなきゃ、かわいそうだぞ!」

「ん」

そんなのわかってるよ!!

諦めるって…

難しいな…

梨絵のこと、嫌いじゃない

水族館以来、結のことばかり考えて

不安にさせている



食事会どうだったのかな…

浩一は、なんだかんだ体育会系で爽やかだ

結の叔父夫婦に気に入られているだろう

結だって、明るいし、会話上手だ



「森田!また、七瀬のこと考えただろ!」

「は?」

「わかりやすい!そんなだからなぁ…」

「るっせぇ! わかってる!!!」

松本が言い掛けた言葉を遮って、大声出した

「俺に当たるなよ!ばぁか!
明日から、俺は、蘭と飯食うから!
お前も、梨絵ちゃんと食えば!?」

松本が教室から、出てった

そういえば…

松本は、ずっと俺と…

今頃、気づいた

きっと蘭ちゃんが、気を使って…

心配してくれてるのに、八つ当たり

そりゃあ、怒るわな…

謝り損ねたまま


翌日


「はよ!」

「はよ…」

浩一の挨拶を、素っ気なく返してしまった

ジーーっと俺を見たあと

「恭…俺、結からお前との出会い聞いた
お前が覚えてないのが、不思議だよ…」

「なんて?」

「俺から言うわけねぇだろ?」

「だよな…」

「思い出しても、結は渡さない!!
フラフラした奴に、任せられない!!」


梨絵だけなのに

何を迷っているんだろう

浩一にまで、指摘されて

不甲斐なさに、マジヘコむ

出口は、すぐそこなのに迷子の気分だ